DAY4 トヨタとテスラ

サンフランシスコはテスラ・モーターズ(以降、テスラ)が10台に1台くらいの頻度で見かける。(ちなみに、ニューヨークでは全く見かけなかった)テスラの急成長と比較されるのがエンジン車のトップメーカーであるトヨタである。このトヨタとテスラの企業成長の比較についても勉強になるお話を聞かせていただいた。

サービスはステークホルダーとともに成長する

サービスを作るときに考えるときに、市場の大きさ・成長率をよく考えたほうがよいと言われる。市場の大きさは客数の大きさでもあり、客単価の大きさでもあるからだ。

同時に、「なぜ、市場は大きくなるのか?」を考えたときに、1つの商品やサービスに対して、いくつの商品やサービスが付随してくるか?も大事な視点であることを学んだ。例えば、トヨタが提供するガソリン車が普及するためには、石油業界の協力が必要不可欠である。

トヨタは庶民が手に入れやすい価格でガソリン車を提供したことが、自動車普及につながったといえば、それが理由の全てではない。安くて品質の良い車を作るだけでは、世の中に普及しない。同時に、ガソリンを給油する場所が全国各地に増えていくから、自動車が普及する。

しかし、石油を使った商品によって引き起こされた環境問題の影響で、自動車メーカーは環境に良い自動車の開発を進める。そうして生まれたハイブリッド車の1つであるプリウスは世界的に人気の自動車になった一方で、ガソリンスタンドを減らす原因の1つになったとも言える。

環境問題は解決するかもしれないが、ともに自動車市場を大きくしてきた石油業界の川下であるガソリンスタンドは大きく縮小している。実際に、日本には平成29年度末時点で30,747店のガソリンスタンドがある。これは平成元年の58,285店なので、約30年間で半分近く減っている。(ガソリンスタンドの貯蔵タンク改修が高額であるという理由や法律改正も影響している)

ステークホルダーがいるから死ぬのか、いないから死ぬのか

営業網についても同様だ。トヨタは販売代理店の協力があって、自動車を全国各地のユーザーへ販売できている。一方、テスラはトヨタのような営業代理店を持っていない。直営店のみである。テスラの急成長の理由の1つには、決めた戦略を実行するまでのスピードが早いことがある。これを実現しているのは、ステークホルダーが少ないことが大きく影響しているだろう。(お金持ちが環境問題に関心があるというブランディングをしたくてプリウスを買っていたが、ダサいのでカッコいいテスラに乗り換えた。そういうニーズがあった。という話もあるが、割愛する)

「トヨタが勝つのか?テスラが勝つのか?」に話を戻す。ステークホルダーが多いと、実行スピードは遅くなってしまう。しかし、トヨタが負けると困る業界がたくさんあるということは、困る業界はトヨタを助ける可能性が高いとも言える。逆に、テスラにステークホルダーが少ないということは、テスラがピンチのときに助ける理由のある業界もすくないということである。この話がとても面白かった。

ガソリンスタンドを経営する人の自己責任といえば自己責任なのかもしれない。しかし、ガソリンスタンドによって自分の商品が広くユーザーに届いていることの重要性を認識していれば、自分の商品によってガソリンスタンドが給油サービス事業以外で収益の柱を作れる事業を作ってあげれば、トヨタが電気自動車に完全シフトしたとしても、石油業界はトヨタを応援し続けてくれるのではないか。そんなことを想像した。

ステークホルダーが多いことは世の中や組織を複雑にする。これはビジネスというよりも、エコシステムの話なんだと気づいた。エコシステムは複雑であればあるほど、使い方によってはとてつもないパワーになる。市場の大きさは顧客数の多さと相関するのであれば、関係者という人の数は成長のパワーになる。また、そんな彼らが「これを維持しよう。成長させよう。」と考えるのならば、そのパワーは何倍にもなる。

気づき・学び

テスラの魅力の1つは、自動車メーカでありソフトウェアメーカであることだなとも思った。ソフトウェアによって自動車に組み込まれたモータの性能を自動制御しているため、車体価格に関係なくメーカー側でアップデートすることが可能だ。自分はソフトウェアまで内製化していることによって、アップデートが可能な自動車にしたことが大きな魅力であることを初めて知った。実際に、災害にあったときはすべての自動車のモータの性能のリミッターを解除できるらしい(したことも会ったのかな?忘れた)

ただ、今回については自分がサービスを作る上で、

  • 自分のサービスが誰を助けるのか?だけでは、エコシステムにはならない。
  • 自分が提供するサービスは誰によって大きくしてもらえるのか?
  • ステークホルダーがいることによって機動力が下がるリスクが大きいか?

といった、自分のサービスを作るだけでなく、自分がどんなエコシステムを作れるのか?作りたいのか?を考える必要があると思った。

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