DAY1 安くても惨めじゃない

サンフランシスコ(以降、SF)の前半数日間は友人家族と一緒に過ごす予定だった。しかし、都合により自分一人で過ごすことになった。SFは天気が本当に良い。過ごしやすかった。FacebookやAppleといった世界的に展開するサービスを提供する企業がこの地域に本社を構えている理由はわからないけれど、年中こんなに過ごしやすい気候だったら、自分もこんな地域にオフィスを構えたい。そう思った。

Abnbから外に出たところ。路地

特にマウンテンビューは一瞬でお気に入りの場所になった。それもそのはず、マウンテンビューは、サンフランシスコの高級住宅街にあたる。集合住宅よりも昔ながらの戸建てが立っている印象。このとき、自分はまだダウンタウンには行っていないため、SFは落ち着いた街だなーと思っていた。

まる二週間の旅行なので、日本での仕事を2月前半に詰め込んだ結果、初日から体調不良だった。しかし、アメリカに来たからにはコーラとハンバーガーを食べなければ意味がない。大好きなハンバーガーを食べれば元気になるだろうと思い、最寄りのハンバーガー屋さんへ向かった。

In-N-Out burgerと出会う

最寄りと行っても、歩いて20分くらい。やっぱりアメリカは車社会だ。GoogleMapでハンバーガー屋さんを検索してみると、「In-N-Out Burger」というお店を見つけた。そこに行ってみることにした。看板は、マクドナルドの赤と黄色を使ったものとそっくりだ。アメリカにもパクリはあるんだなーと思ったが、マクドナルドも何が本物かどうかはわからない。詳しくは、『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』を見ればわかる。

マクドナルドの創業秘話に関する映画。面白い。

早速、ハンバーガーセットを頼んでみた。店内には、注文したハンバーガーを待っているお客さんもいたので、自分はすっかりクオリティーの低いハンバーガー屋さんなのかなと思っていた。

飲み物は大きな紙コップだけ渡されて、自分でドリンクを注ぎに行くスタイル。ハンバーガーは柔らかめなバンズでパテはステーキっぽさのない一般的なミンチパテ。ポテトは見かけは硬そうなのだが、油で重すぎるといった印象はなかった。

つまり、想像していたよりも美味しかったのだ。

In-N-Out burgerで頼んだハンバーガーセット(確か8ドルくらい)

In-N-Out Burgerについて調べてみた

気になって、In-N-Out Burgerについて調べてみたら、面白い記事が見つかった。

「新鮮」といっても、その意味は深い。すべての食材は500マイル(約800キロメートル)以内の産地から仕入れたもので、ハンバーグもフライドポテトも注文を受けてから調理する。通常のファストフードならば、紙に包まれたハンバーガーや少し前に揚げられたフライドポテトがヒートライトの下で注文を待っていたりするが、そうしたことはイン・アン・アウトでは許されない。イン・アンド・アウトには、電子レンジや冷凍庫もないのだ。

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道理で美味しかったわけだ。待っているお客さんの姿はお店が人気である証だし、待っているお客さんがイライラしていなかったのは、このハンバーガー屋さんの「新鮮さ」を理解しているし、期待していたからなんだなと思った。

2017年時点で年商は8億7000万ドル(日本円で1000億円弱である)の成長企業だった。直営店というこだわりはスターバックスコーヒーを彷彿とさせる。

引用した記事には、創業者の孫である『ハンバーガー姫』の人生についても少しだけ書かれており、いろんな大変なことがあっても企業を成長させ続けた内容は、アメリカで過ごす2週間を有意義に過ごそうという気持ちを強くしてくれた。

後日、このハンバーガー屋さんについてSF在住の方に聞いてみると、昔は白人しか雇用しないというカルチャーだったらしい。差別という点では問題であるが、こだわりという点では妥協しない姿勢を感じる。競合がいる場合、自社だけが持っている魅力の追求に妥協はしていけないんだ。

安くても惨めな気持ちにさせないファストフード

現在の社長である彼女が経営を引き継いだのは2010年。リーマンショックから2年後である。当時の景気を思い出せないが、あまり良くなかったと思う。

やや高めだけれども、新鮮で安全なファストフードハンバーガーであるイン・アンド・アウトは、景気低迷時でも順調に売り上げを伸ばしていたことで知られる。安くても惨めな気持ちにさせないファストフードは、まさに人々が求めていたものなのだ。そこには、儲けを上げるだけではなく、いい食事を提供したいという創業以来の同社の信念がこもっていると言ってもいいだろう。

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私はこの企業が提供するハンバーガーのコンセプトがめちゃくちゃカッコよくて感動した。正直、In-N-Out BurgerにはSHAKE SHACKのようなオシャレさはない。きっと、旅行中に恋人とのデートにこのお店を使ったら、恋人は喜ばないだろう。

でも、アメリカ全体が不景気に陥っているなかで、安いからと言って不健康ではない食品を提供すると決めたこのコンセプトは、アメリカ全土を豊かにするコンセプトだ。

豊かになることは、庶民が誇りを持てること

不景気になっても、つらい状況になっても、いつも食べていたハンバーガーが食べられるというのは、勇気をもらえる。賞味期限切れのどんな油であげたか分からない加工食品ばかり食べていて、もう一度頑張ろうって思えるだろうか。多分、そんなに人間のメンタルって強くないと思う。

健康的なハンバーガーを提供し続けるIn-N-Out Burgerは、庶民にとって、誇りを持てるお店だ。豊かになることは、特別に一部の人だけが得られるものを誰もが得られるようにすることだ。使ってくれるユーザーが誇りを持てるようなサービスを作ろうと強く思った。

私は今データサイエンティストとして働いて、有り難いことに市場のニーズや期待があるから、数年の実務経験で食っていけている。需要過多だからだ。

現在、日本の企業の多くは専門性の高い人材を採用する財力がない。コロナ禍でこうした企業は増加の一途をたどる。今の日本は、データ利活用やAI開発が専門性の高い領域としているが、本当の豊かさは、この領域を専門性のある特別な領域にしないことなんだと思う。

自分がお金があまりないときに、不健康じゃない食品を食べれる機会を与えてくれるIn-N-Out Burger のように、私はお金がない企業に対しても、データサイエンスプロジェクトを推進できる機会を与えたい。

DAY1の気づき・学び

  • ユーザーが理由に納得しており提供価値が勝っていれば、サービスの弱点を気にしない
  • 庶民が誇りを持てるサービスは生活だけでなく、心も豊かにする
  • 専門領域と一般領域にすることが、豊かさにつながる側面もある

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