DAY4 強みの強さと寿命を考える

4日目からは当初の予定どおり一人での旅行。午前中に初めて泊まったAirbnbをチェックアウトし、タクシーでとある日系企業のイノベーション施設に訪問。

写真撮影はNGだったこともあり、写真は特に残していない。また、3日目からはツアーではない個人的な訪問であり、ご厚意でお話いただいたことがほとんどである。自分のなかでずっと残しておきたいことを少しだけ抽象化して残しておくことにする。

美味しいハンバーガーをご馳走になった。ありがとうございました。

大手日本企業の戦い方を知る

視野を広げるにあたって国内スタートアップだけでなく大手日系企業の海外での戦い方を知りたいという気持ちが強くなった。昨年、大手企業の方と一緒に仕事させていただく機会に恵まれ、グローバルに事業を展開するときの考え方を教えていただいたことをきっかけに関心を持つようになったからだ。

自分は一部上場企業に新卒入社したものの、グローバルに展開する日系企業で働いた経験がなかった。新卒でこうした企業に入社した同世代は、関わっている仕事のスケールの大きさを自慢することも多く、少し鼻についていた。一方、一人に任せられるマーケティング予算の規模やインパクトは中小・中堅企業とは比較にならないことも事実だった。

今回、大手日系企業のお話を伺えたのはたまたまなのだが、紹介してくれた友人はもちろん、初対面にも関わらず色々なお話を聞かせてくださり、ありがとうございました。本当に感謝しています。

強みの強さと寿命を考える

大手日系企業というだけあって、市場に浸透している強みがある。だからこそ、彼らが考えていることは「その強みでどこまで生き続けられるか」ということだった。

学生であれば就職活動をきっかけに、社会人になっても転職やキャリアアップを考える際に、「自分の強み」を考える機会がある。マーケティングを学んでいれば、SWOT分析もそうだ。ただ、自分の場合は強みを考えるときに、現時点の自分の強みが永遠に続く前提で考えていたことに気付かされた。

深く考えてみると当たり前ではあるが、自分の強みの強弱は発揮する場所・環境によって大きく左右される。また、現在における強みの「強さ」と未来における強みの「強さ」は異なる。

身近な実体験で考えてみると、数年前にプログラミングを学んだときはフロントエンドはHTML, CSS, JavaScriptを学べば十分だった。それだけでWebサイト構築の案件を受注することができた。(もちろん、それだけで生活はできなかったけれど。)

しかし、今では、学んだその言語自体はこれまで通り使われているけれど、記法が大きく変わった。異なる言語は異なるファイルで管理するほうが美しいというイメージだったが、異なる言語を1つのHTMLファイルにまとめて書くほうが美しいという流れになった。正直、今の自分はWebサイトをフルスクラッチで作成・構築する案件を受注できる自信はない。

自社の強みを技術にフォーカスせず、営業にフォーカスした

その企業は、一般的には「技術力がある企業」と思われているだろう。実際に、その企業名を伝えたら、誰もが「商品名と使われている技術」について話すと思う。しかし、実際には「営業網が強みである企業」として海外で企業買収を繰り返すことで売上を増やしている。新たな収益の柱を作っている。と言ったほうが正しいだろう。

この企業から学べることは、自分の現在の強みを無理に活かそうとしないリアリストなところだ。経営層は、現在の強みである技術ではなく、その強みを生かして創り出した商品を展開している市場の行く末を見ている気がした。前述の通り、強みは発揮する場所と時間軸によって、その強さが大きく変わるからだ。

これくらいビジネス書にも書いてあるだろうと意識の高い社会人は思うだろう。でも、実際にこんなに自分の強みを冷静に見られる企業や経営者、個人はどれだけいるだろうか。例えば、すでに営業経験が5年以上あるサラリーマンが営業職以外の職種に転職するだろうか。おそらく殆どは同じ業界や異業界同職種での転職がほとんどだと思う。

自分に強みがないのであれば、素直に環境に合わせて自分を変えていくことができる。新卒のときは、入社した企業の文化や仕事の仕方を素直に吸収できる。しかし、ある程度働いた経験のある自分が、冷静に未来を見つめて、自分をどれだけ変えられるだろうか。なかなか勇気が必要だし、自分の強みは永遠に強みであり続けると信じたい。

自分の懐具合にあった予算で、強みを買う

強みの強さが時間軸によって変わるのならば、急いで強みを手に入れる必要がある。手に入れる方法は、時間をかけて強みを作る方法と、お金をかけて強みを買う方法だ。

この企業は、お金があるからシンプルに資金勝負で勝ちにいくスタイル。これはお金持ちとしては正しい戦略だ。ここからの学びは、強みを発揮して成果を出すためには、お金よりも時間が大切だと認識することの大切さだ。

個人でキャリアアップや起業を考えると、やれ時間をかけて修行をしたがる。少なくとも自分は経験を積みたいと思ってしまうところがある。隠すことでもない、少し怖いからだ。修行することで俺は失敗しないという自信を得たつもりになって自分を満たす。

これは自覚していたから、副業で稼ぐというスタイルを辞めて独立した。しかし、勝ち方がわからないままアメリカに来ていた。しかし、この企業の話を聞いて大きな気づきがあった。

強みを買うという戦略も、更に大きな企業にシンプルに財力で負ける現実があるということだ。彼らは国内では名だたる大手企業の1つだ。しかし、彼の財力にも限界がある。例えば、Googleが同じ企業を買収しようとしたら、おそらくGoogleが買収し、彼らは買収できない。

つまり、この企業のすごいところは「自社の強みに執着せず、他社の強みを買う」という現実主義的スタンスではなく、「自分の懐具合にあった予算で、他社の強みを確実に手に入れる」という、身の丈にあった諦めの悪さにあると思った。

帰国後、自分の生活に支障がでない範囲(自分の懐具合にあった範囲)で、知り合いに業務を発注する決断ができたのは、この話を伺えたからだ。そうでなかったら躊躇して貯金ばかりしていて、自分の強みにもなり得ない強みを育てることに時間をかけていたと思う。

文化は買わない

また、特に興味深かったのは、M&Aを実施する際に文化を買わないということだ。買収先には、「その技術が世界に浸透することと、世界に浸透しないまま文化を守ること、どちらが大事ですか?」と聞くらしい。

文化を買わないというのは、買収先をリスペクトしていないという意味ではないと自分は解釈した。選択と集中の話で、自分が愛している強みで世界を豊かにすることよりも大事なことあるか?という覚悟の話なのかなって思った。

これはこれから自分がチームを作るときにも同じことが言える。自分はパワハラマネジメント被害者であると思ってるから、できるだけメンバーの意見は聞きたいと思っている。同時に、メンバーに対して、自分たちが作ったサービスで世の中を豊かにすることとメンバーそれぞれのこだわりを大切にすることとどっちが大切か?を追及できる勇気を、経営者は持っておくべきだなと思った。もちろん、自分に対してもそうだ。

DAY4の気づき

  • 強みの寿命を考える。強みを考えるときは時間軸が大切である。
  • 自分の強みの伸びしろには限界があるが、市場の成長はその伸びしろを超える。
  • 懐に合った買い方がある。すべては塩梅次第。

完全にたまたまなのだが、新しい業界(広義のAI領域、機械学習やデータ分析)に飛び込んだことは正解だった。結果的に、自分の強み(せっかく入社することで得たキャリアなど)が強みならないことを認識して、独立した結果、強みになっていないけど市場は伸びているから、生きていける状態になった。

また、市場の成長を優先すると不思議と強みが生まれることもある。自分の場合は、データサイエンティストのデータサイエンス力を武器に戦おうとしていたが、市場の成長に対して自分の勉強量が追いついていなかった。そのときに、データサイエンス力の代わりに強みになったのが、ビジネス力だった。

さいごに、一人でなんとか食っていける状態になったということは、「自分の懐具合にあったお買い物」ができるフェーズに入ったということだ。躊躇せず、だから、自分の目標をオンタイムで達成するために、買うべきものは何かを見極めていく。

お金の問題は本質的には問題じゃないと、学生時代に教えてもらったことを思い出した。

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